社会学が目指すもの | 東進ハイスクール在宅受講コース

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2017年 6月 10日 社会学が目指すもの


こんにちは!

東進ハイスクール在宅受講コース社員の二田菜摘です。

 

今回は私が学んできた社会学について、少し紹介したいと思います。

是非、学部選びの参考にしてください。

 

そもそも、社会学って何を勉強するの?

という問いに、一言で答えるのは社会学者ですら難しいことです。

それくらい、守備範囲が広い学問なのです。

ただ敢えて一言でいうとしたら、

 

人と人の「間」に起こる現象を、科学的に解明する

 

学問だといえると思います。

 

ですから、テーマはもうなんでもありです。

政治・宗教・企業・労働・経済・法律などお堅いところから、

恋愛・コミュニケーション・マスコミ・非行など、比較的身近なところまで。

 

中には、「つけまつげの社会学」という論文もありました。

「使っているつけまつげの派手さと、その人の学歴には相関関係があるか?」

という問いを検証する論文でした。

 

私の通っていた大学では特に社会学研究が盛んで、所属していたゼミの先生によれば、世界有数の社会学者が多く所属している大学だったそうです。

 

今日は、そのたくさんある社会学の授業の中でも、強烈に印象に残っているものについてお伝えしたいと思います。

 

あれは、一回生(関西では「一年生」ではなく「一回生」なのです)の最初の方に取った、必修の「社会調査論」についての授業のことでした。

 

先生は教壇に立って、しばらく雑談したあと、よく通る声で授業を始めました。

 

「社会調査には、実像のない社会の姿を見えるようにする役割があります。そこで調査する社会学に関わる全ての人間が守らなければいけないことが、調査倫理です」

 

社会調査とは、社会について探求するために、人のプライバシーや時間を頂くことになります。

だから、

 

人権を侵害しては(非倫理的であっては)ならない

社会にとって役に立つものでなくてはならない

 

という絶対の大原則があるのだそうです。

 

確かにそうだなあ……

そのときは、なんとなくそう感じました。

 

その授業の最後に、先生は

「美人は性格が悪い」という仮説を証明するための、社会調査票を考えてこい

という課題を出しました。

 

「美人」とは何をもって美人と定義するか?

「性格が悪い」とは何をもって性格が悪いと定義するか?

そして、それはどのような方法で測るのか?

 

それを考えてこいという課題です。

 

次の週、授業ではたくさんの案が先生によって読み上げられました。

「他人に美人だと評価された回数に応じて、美人かそうでないかを定義する」

「顔の作りが整っているかをパーツの配置の距離で測って、美人かそうでないかを定義する」

「本人の周囲の人にアンケートを取って、性格が悪いかそうでないかを測る」

「心理テストを使って、性格が悪いかそうでないかを測る」

 

など、様々なものが出ました。

 

先生は、淡々とそれらを紹介していきました。

とても話の上手な先生でしたが、それらに対してこれは良いとも悪いとも言わなかったのを覚えています。

授業も終盤に近付いたとき、先生は締めくくるように私たち学生で埋まった席を眺めました。

 

「ここに出た答えは全て不正解です。」

 

少しだけ、ざわついたようでした。

結構考え抜かれて、正確に見えるものもあったのですが、全部ダメだったのだな、と思いました。

 

先生は、一息おいてから、話し始めました。

 

「ぼくは最初に、調査倫理を守れと伝えたんですがねえ。

 

人の容姿について、

美人だ不美人だと評価したり、

だから性格が良いはずだ悪いはずだ

と決めつけた仮説を立てることなど、

設定自体が間違っています。

 

ですから模範解答は、

 

『このような非倫理的な調査は、行うべきではありません』

 

です。

 

ぼくは、この答えが出るのを、もう長いこと待っているんですけどね。」

 

 

教室中が、しーんと静まり返りました。

 

……これが、私の大学時代の最初の衝撃でした。

のちにこの先生のゼミに所属し、今でも忘れられない師匠になるわけですが、それはまた別のお話です。

 

社会学という、あまりにも広大な学問を扱った場面の一部を紹介することで、社会学が目指しているものを読み取ってもらうことが出来たでしょうか。

 

社会学とは、

 

倫理や、人権や、自由を大切にする学問です。

 

だからこそ、学生時代あんなにのめり込んだのかもしれません。

 

私はそのあとすぐ「福祉社会学」という、最も人権と自由を重んじるためのものである分野について深く学んでいくことになるのですが、それは次回お話しします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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