福祉社会学 | 東進ハイスクール在宅受講コース

ブログ

2017年 6月 12日 福祉社会学







 

こんにちは!

東進ハイスクール在宅受講コース社員の二田菜摘です。

 

前回、は私が学んできた社会学ついてお話ししました。

では今回は、私がその中でも卒論のテーマに選んだ福祉社会学についてお話ししたいと思います。

 

大学四年間の学びの集大成である卒業論文を、私は

「重症心身障碍者の自己決定権について」という題で書きました。

どんなことを言いたかったのかをざっくり言うと、

 

重度の障害を持っている人は、コミュニケーションを取るのが困難であることを理由に、

異質なものとして排除されてしまう。また、自己決定権が奪われてしまう。

では、コミュニケーションが取れるようにしよう。

トーキングエイド(重い障害があっても使える文字盤のような道具です)を普及させたり、

自立生活支援施設(障害者が生活する場のことです)を一般開放したりすることによって、

障害者・健常者という境界自体を無くしてしまおう。

 

というものでした。

 

そもそもなぜ、そんなテーマを選んだのか?

話はその時から五年ほど前にさかのぼります。

 

……私の母は、大変温厚で世話焼きな人でした。

口うるさくて教育熱心すぎるのが困りものでしたが、大事に育ててもらったと思います。

 

私が高校生になった頃から、母は少しずつ変わり始めました。

足が痛い、痛いと言って横になることが多くなり、歩くのは少しずつ遅くなって行きました。

人工関節に入れ替える手術をしなければ、歩けなくなってしまう病気でした。

私が大学生になった頃には、母の人柄はすっかり変わっていました。

毎日きっちり作ってくれていた料理をしなくなり、毎日怒鳴り散らすようになり、

家では体の自由が利かないので這って移動することが多くなりました。

 

ある日の病院の帰り、母は私の隣で杖にすがってヨタヨタと歩きながら

「ごめんね」

と言いました。

 

なんで、こんな痛い思いせなあかんねやろ。

なんで、今後もう自由に動けなくなるんやろ。

なんで、そんなことで本人が謝らなあかんねやろ。

 

そう思ったのを覚えています。

それから、私は「障害を持つ人が、自分の生命を後ろめたく思うようなことは社会が防がなくてはならない」という考えの元に勉強していきました。

出来る限り福祉に関連する授業を取りました。

福祉社会学、ケア社会学、病気と民俗学、障害学……

それらで学んだことや多くの文献、参与観察、ゼミの先生の助けを基に、五万字の卒業論文を書きました。

 

その締めくくりにはこう書きました。

 

この論文は、障害者の自己決定権について論じたものだが、それだけではない。

あらゆる異なった身体、立場、出自、特徴を持った人たちが、自分自身を含めて互いを尊重出来るものとして出会えることを、目指したものである。

 

口頭試問(卒業論文を発表する会のことです)で、私のゼミの先生は一通り講評を述べたあと、最後にこう評してくれました。

 

「このオチの部分に、二田が最も伝えたかったことというか、この論文の魂となるものが込められている」

 

悲しみでしかなかったものを、私は魂と呼ばれるものに作り変えることが出来たのだと、その時初めて気が付きました。

 

……これが、私の大学四年間の学びの集大成です。

学問には、自分の好きなことや憧れを追求出来る可能性に並んで、

自分の悩みや苦しみを昇華する可能性も秘められているのかもしれません。

 

皆さんも是非、自分の追求したいことを学んでみてください。

 

 

 

カテゴリ